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シリーズ・年金改革とマニフェスト その2

□ そこのけ、そこのけ、小泉マニフェストが通る。後は野となれ、山となれ〜
<ワイドショー編>

■お知らせ
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そこのけ、そこのけ、小泉マニフェストが通る。後は野となれ、山となれ〜
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<ワイドショー編>

キャスターA  閣僚三人が国民年金を納めていなかったことが問題になっています
が、与党は明日、委員会で年金法案を採決するつもりのようです。なんか、私たちに
は納得いかないんですが・・・

キャスターB  閣僚の年金納付状況について、公開するといっていたみたいでした
が、これも急に、「やらない」と言い出したようですね。やっぱりまだ何か隠してい
るのかなと思いたくなっちゃいますが。

▼福田官房長官の会見映像▼  「個人のプライバシーですから」「国会で決まれば
だしますよ、でもこれ、個人のプライバシーそのものでしょ、そうじゃないですか」
「うっかり忘れていたっていうんですから(しょうがないでしょ、というニュアン
ス)、なんなら罰則でももうけますか?」(例の底意地の悪そうな口調)

コメンテイターC   官房長官は「個人のプライバシー」と言っていますが、これ
はおかしいですよ。閣僚になったら資産公開するでしょう? プライバシーじゃない
んですよ。それともうひとつおかしいのは、「民主党の『次の内閣』のメンバーが先
に公開しなければ公開しない」と言っていることです。イギリスでは野党の「影の内
閣」にも税金から予算がつきますが、日本の場合は民主党が勝手にやっていることで
すからね。公権力とは関係ないわけですよ。でも政府は権力ですからね。これを同列
みたいに言うのは、明らかにおかしいです。私が民主党の党首だったら、この問題だ
けで福田さんの不信任案を出しますね。

コメンテイターD  法案を閣議で決めるときには、閣僚が署名して提出するわけで
すね。今回の三名には、年金法案の共同提案者の資格はないと思いますよ。だいたい
この人たちは、議員年金なんていうオイシイものがあるから、国民年金なんていうケ
チなものに関心はないんじゃないですか? そういうどうでもいいようなものを国民
に押し付けて、自分たちには甘いという政治姿勢が問題ですよ。権力者には甘く、国
民には厳しくというのでは、ローマ帝政と同じじゃないですか。

キャスターA   地方の自民党県連のパーティーで中川大臣が「日本経済は回復し
つつある」ってあいさつを始めたら、会場から「お前にしゃべる資格はないっ」とい
うヤジが飛んだそうですね。県連のパーティーだから一般の人が入っているわけじゃ
なくて、自民党の関係者でしょ? 年金未納もそうだけど、「経済は回復してる」っ
て言われたって、地方はますます大変ですからね。そういう現実を見ようとしない浮
ついた無責任な姿勢に対する怒りもあったんじゃないでしょうか。

▼社会保険庁への直撃インタビューの映像▼
レポーター 「三閣僚の未納問題について、社会保険庁として、遺憾である、という
ようなことは?」
役人 「あちらはご事情があるようなので・・・。ただし若い人たちは、国民年金は
義務ですから、必ず払っていただかなければなりません。強制徴収もありえます、義
務ですから」

キャスターB   私たちは義務で、あちらさんは「ご事情」ですか・・・。福田さ
んは「罰則でももうけますか?」と言っていましたが、「忘れていた」で済むことな
んですか?

コメンテイターC  今回は厳密に言うと未納(国民年金に加入していて払っていな
かった)と未加入(加入手続きをしていなかった/中川大臣)で、未加入の場合には
強制徴収のリストにも載ってこないんですね。
ただし、法律にはちゃんとあります。保険資格が変わったとき(厚生年金から国民年
金へなど)にはすみやかに届け出なければならず、違反した場合には罰金十万円以下
と。だから罰則はあるんですよ。

キャスターA  江角さんは、払っているものと思っていたということで、確定申告
の時にも控除の手続きをしているわけですから、その分、修正申告をしなければなら
なかったわけですよね。この三人はそのあたりのことも、はっきりしてもらいたいで
すね。厳しい言い方をすれば、脱税ですからね。

キャスターB  この番組ではシリーズで年金問題をやってきて、グリーンピアのこ
ととか、事務費で宿舎をつくったり公用車を買ったりとか、いろいろ腹の立つことを
見せつけられて来たんですが、このまま明日、委員会で通しちゃうんですかね?

コメンテイターD  参議院選挙の前に成立させるとなると、もう時間がないんです
ね。与党は最後は強行採決でも何でもやるでしょう。これはこの間の補選の影響で
す。三つとも自民党が勝ちましたが、これはあくまで表面的なことで、真の勝者は公
明党です。広島と埼玉は、公明党の支援がなければ勝てなかった。だから何としても
参議院選挙で公明党の支援が欲しい自民党としては、ここは通すしかないわけです。
今回の年金法案は、総選挙で公明党が公約したものです。自民党は出せなかった。マ
ニフェストできちんとできなかったこともあって、選挙後から法案提出直前まで大モ
メしましたが、いわば厚生省と公明党がクーデター的に出してきたものです。公明党
としては、与党の実績をアピールするためにどうしても通したい。公明党の応援を得
るために、小泉自民党はこれをなんとしても通すと。こういう力学が働いているわけ
ですよ。

キャスターB  はぁ〜。私たちの大事な年金が、こんなことで決まっていくんです
かぁ。なんか情けなくなってきました。これが通ると、今後十四年はこのままなんで
すよね。団塊世代はもう、もらう側になっていて、「やっぱり年金のお金が足りない
から、保険料を値上げする、消費税を上げる」って話になっていそうな気がするんで
すが。

キャスターA  厚生省はずっと渋ってきたんですがとうとう先日、民主党の再三再
四の要求で、数字を出しました。なんと、2100年度までの間に厚生年金で440兆円、
国民年金では40兆円、あわせて480兆円、財源が不足するということです。国家予算
五年分を超えてますよ。給料から天引きされていて逃げも隠れもできない、「ご事
情」のない私たちにすれば、「んなこと聞いてねぇーよ」と言いたいところですよ。

コメンテイターC  これも1970年代に立てた甘い見通し(経済成長、出生率を「右
肩上がり」で想定)が現実と違ってきたときに修正すべきなのに、そのままズルズル
きているツケですよ。これまで五年ごとに年金の見直しをしてきたのに、誰もその責
任をとっていないわけです。
それと先ほどのDさんのお話ですが、政治力学としてはその通りだと思うんですが、
もうひとつ、厚生利権というか政官業の構造的癒着という問題があるように思うんで
すね。これはまったくの勘なんですが。
日歯連の問題や「選択」の問題など、最近ボロボロ厚生利権の問題が出てきています
ね。もっと表に出したくないことがあるんじゃないか。早めにクサイものにはフタを
しようという雰囲気が、与党の国会運営から感じられる。あくまでこれは憶測です
が。
それと、例の98年から始まった年金資金から事務費を「ピンはね」する仕組みです
ね。財政再建との兼ね合いで、一般会計からの支出を減らした分、本来なら年金の支
払いに使われるべき年金のお金を、社会保険庁の事務費に回せるようにした。これは
この番組でもやったように、職員宿舎の建設や公用車の購入、あるいはわけのわから
ないコンピューター費用(それもけた違いに割高!)に使われていた。使途がきわめ
てずさんだということと、一般会計とごちゃまぜの「どんぶり勘定」になっているわ
けで、こういうところは大抵、クサイんですよ。

キャスターA   こんなことで本当に通すんですかね。この間も国会で参考人の先
生がみんな、抜本的な改革が必要だと言っていましたね。大事な問題ですから、もっ
ときちんと時間をかけて議論してほしいと思うんですが。

コメンテイターD  一番いいのは、いったん仕切りなおして、二、三年かけてきち
んと議論することです。政府の一部には、今回の「改正」が通った後に、与野党で抜
本改革のための協議機関をつくろうという動きもあるようですが、これはルール違反
ですよ。国会できちんと議論して決めるということをせずに、みんなが納得できるよ
りよい仕組みができるんなら、開明君主の善政でいいわけです。なにが一番いい制度
か、というのは、国民が選挙で決めるというのが民主主義の基本でしょう。そのため
にマニフェストがあるわけですから。ここをきちんとしなければならない。

コメンテイターC   そういう意味では今度の参議院選挙は、与党の業績評価・中
間評価として重要です。年金改革の中身もそうですが、決め方も含めてこういうこと
でいいのかどうか、有権者はしっかり評価することですね。参議院選挙で政権交代す
るわけではありませんから、民主党がいい、わるいと言う前にまず、有権者は政権の
中間評価をしっかりすることです。

キャスターA  そこでちょっと気になるんですが、先日の読売新聞の世論調査
(4/24)では相変わらず小泉さんの支持率は59パーセントと高いんです。ところが政
策の評価というのはボロクソなんですね。「成果あり」が景気対策では12パーセン
ト、年金ではなんと5パーセントです。国会答弁についても「分かりやすい」が44
パーセントに対して「すり替え、ごまかしが多い」が50パーセントと逆転している。
なのに、なぜ支持なの? と率直に言って思うんですが。

コメンテイターD  まぁそこはねぇ、まだ有権者が成熟していないと言うか・・
・。小泉さんを支持している人は圧倒的に無党派の人なんですね。去年のマニフェス
トでは民主党のほうがイメージがよかった。なんとなく政策もしっかりしていそう
と。でも自民党のマニフェストときちんと比べた人はほとんどいないわけです。それ
で今回の補選では、自民党も無党派対策に力を入れてきた。埼玉8区は典型ですね。
公募の弁護士で、民主党の候補より20歳くらい若いんじゃないですか。
私も演説を聞きに行きましたけど、政策なんか一言もありませんよ。「若い、しがら
みのない私が自民党を変えます、政治を変えます」の一点張り。まさに最初の総裁選
の時の小泉さんのスタイルです。小泉支持層の無党派というのは、こういう層ですよ
ね。投票率が圧倒的に低いので、無党派の人がこれでどれくらい投票所に行ったのか
は分かりませんが。
有権者も、「ただの人をタダの人として国会に送り込むことが改革だ」という段階
を、そろそろ卒業しないといけない。

コメンテイターC  自民党の場合は、若くて、それなりの学歴や資格なんかがあっ
て、それで「自民党をぶっつぶすー」と言えれば、それで改革派ということなんです
よ。そのうえ公募ならなおいいと。生き残りのために何でもあり、ということなら公
募だってやりますよ。そのうえで既存組織がうまくコントロールすればいいんですか
ら。小泉さんだってそうやってうまくやっているわけでしょ。自力で支持基盤をつく
ることをせずに絶叫だけしている議員をうまく手の内で動かすことくらい、ちょろい
もんですからね。
いままではこの手の部分が、民主党の候補に入ってきたわけです。自民党には「空
き」がありませんでしたから。ところが自民党にも「空き」がてできたわけですね。
でも民主党の場合は、「民主党をぶっつぶすー」というわけにはいきませんよね。政
権担当能力をさらに示すことをしなければならない。しかもマニフェストに則してと
いう、政党政治の「王道」が問われるわけです。これは無党派的有権者をマニフェス
トの主権者へと「底上げ」していく日常活動以外ありません。奇策はないんですよ。

コメンテイターC  二大政党が定着してくると「野党第一党」ということでのメ
リットも大きくなるわけです。比例区があることもあって、下手をすれば「二人区」
の指定席ということになってきます(300小選挙区のうちほぼ半分は、比例復活組を
含めて実質上の二人区になっている)。だからこそ、候補者選定過程を有権者、とく
に自覚的な有権者に対して開かれたものにしていくとか、あるいは党人事など、党改
革も「無党派対策ポーズ」ではなく、マニフェスト文化・政党政治文化にふさわしい
ものに変えていくということが必要なんですね。またそれを有権者にどう見せていく
か、ですね。
有権者も、そういうところにも目を向け、さらには参加していくことが必要になって
きていると思います。イメージや気分で政治家を選んでいたら、どういうことになる
か。今回の年金問題は、その学習材料でもあるんじゃないですか。

キャスターA   まずは今度の参院選挙で、政権の中間評価をしっかりやる、とい
うことですね。明日からも年金法案がどうなるか、しっかり見ていきたいと思いま
す。

□◆□ お知らせ □◆□

□ 「がんばろう、日本!」国民協議会 第三回大会
昨年は総選挙のため、全国的な催しは見送りました。02年10月の第二回大会に続く、
三回目の大会です。
5月23日(日)13時より
砂防会館
○基調講演とシンポジウム 13時より18時 2000円
日本再生の戦略と政治意思を
〜リーダーの矜持とフォロワーの決断〜
基調講演 戸田政康 「がんばろう、日本!」国民協議会代表
シンポジウム 原口一博 民主党「次の内閣」大臣(規制改革など)
       古川元久 民主党「次の内閣」厚生労働大臣
       中塚一宏 民主党「次の内閣」経済財政金融担当副大臣
       長島昭久 民主党「次の内閣」安全保障担当副大臣
       中西寛  京都大学教授
       添谷芳秀 慶応大学教授
       飯尾潤  政策研究大学院大学教授
       福嶋浩彦 千葉県我孫子市長
○懇親会  18時30分より  5000円


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石津美知子 ishizu@ganbarou-nippon.ne.jp
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